過去問塾 2021年度
建築物環境衛生管理技術者試験
蚊の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)昆虫成長制御剤(IGR)は、幼虫、蛹、成虫の全てのステージにおいて効果が認められる。
(2)ULV処理は、短期間の効果しか期待できない。
(3)浄化槽内の防除効果は、柄杓によりすくい取られた幼虫数によって判定する。
(4)浄化槽内の防除効果は、粘着トラップによる成虫の捕獲数によって判定する。
(5)樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている浄化槽などで効果を発揮する。
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(1) <解説>昆虫成長制御剤(IGR)は、成虫への効果は期待できない。
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蚊の主要な発生源や生態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)コガタアカイエカは、水田や湿地等の水域に発生する。
(2)ヒトスジシマカは、小型の人工容器や雨水ますに発生する。
(3)アカイエカは、地下の浄化槽や湧水槽に発生する。
(4)チカイエカは、最初の産卵を無吸血で行うことができる。
(5)アカイエカは、夜間吸血性を示す。
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(3) <解説>アカイエカは、下水溝や汚水桝、水たまりなどから発生する。
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ゴキブリの生態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)ゴキブリの活動場所における排泄物による汚れのことを、ローチスポットという。
(2)日本に生息するゴキブリの多くの種類は、屋外で生活している。
(3)ゴキブリには一定の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。
(4)日本に生息するゴキブリには、卵から成虫までに1年以上を要する種がいる。
(5)ゴキブリの食性は、発育段階によって変化する。
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(5) <解説>ゴキブリは雑食性で、発育段階によって変化しない。
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ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)薬剤は、生息場所を中心に、ある程度広範囲に処理することが望ましい。
(2)防除作業後には、効果判定調査を行うことが重要である。
(3)毒餌処理に用いられる薬剤には、デイートやイカリジンを有効成分とした製剤がある。
(4)よく徘徊する通路などに、残効性の高い有機リン剤やビレスロイド剤を処理する。
(5)ペルメトリンを有効成分とする水性乳剤をULV機で散布すると、追い出し効果が期待できる。
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(3) <解説>デイートやイカリジンは、忌避剤で毒餌処理には逆効果である。
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ダニに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)ツメダニの被害対策には、ヒョウヒダニ類やチャタテムシ類の防除が重要である。
(2)家屋周辺のマダニ類対策では、ペットの衛生管理が重要である。
(3)ヒゼンダニは皮膚内に侵入し、吸血する。
(4)コナダニ類の対策では、畳表面の掃除機による吸引及び通風乾燥が基本となる。
(5)スズメサシダニが発見された場合には、野鳥の巣が家屋の天井や壁に存在する可能性が高い。
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(3) <解説>ヒゼンダニは皮膚内に侵入し、疥癬症を起こす。吸血はしない。
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殺虫剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)有機リン剤を液化炭酸ガスに溶解し、ボンベに封入した製剤がある。
(2)ビレスロイド剤によりノックダウンした昆虫は、蘇生せずに死亡することが多い。
(3)油剤は、有効成分をケロシンに溶かし、乳化剤を加えた製剤である。
(4)プロペタンホスは、カーバメート系殺虫剤である。
(5)トランスフルトリンは、常温揮散性を示す薬剤である。
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(5) <解説>ビレスロイド剤を液化炭酸ガスに溶解し、ボンベに封入した製剤がある。ビレスロイド剤では、蘇生するものもある。油剤は、有効成分をケロシンに溶かしたもので、乳化剤は加えない。プロベタンホスは、非対称型の有機リン剤である。
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殺虫剤の有効成分やその効力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)ビレスロイド剤は、蚊などに対する忌避効果がある。
(2)殺虫剤に対する抵抗性は、どのような有効成分であっても獲得されてしまう可能性がある。
(3)除虫菊に含まれる殺虫成分や、合成された類似物質を総称して、ビレスロイドと呼ぶ。
(4)幼若ホルモン様化合物は、昆虫の幼虫脱皮時にその表皮形成を阻害する作用を示す。
(5)LD50値が小さいほど、殺虫力が強い薬剤であるといえる。
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(4) <解説>幼若ホルモン様化合物は、昆虫の成長過程において脱皮や変体に異常を起こさせて死に至らせる。
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クマネズミに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)警戒心が強く、粘着トラップによる防除が難しい。
(2)都心のビル内では、優占種となっている。
(3)運動能力に優れており、電線やロープを渡ることができる。
(4)ドブネズミと比べて雑食の傾向が強い。
(5)尾は体長より長く、耳は大きくて折り返すと目をおおう。
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(4) <解説>クマネズミは主に植物質を好む。
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建築物内のネズミの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)ジフェチアロール以外の抗凝血性殺鼠剤は、連続して喫食させることが必要である。
(2)外部からの侵入を防ぐために、通風口や換気口の金属格子の目の幅は1cm以下にする。
(3)カブサイシンのスプレーやパテは、ケーブルなどのかじり防止やネズミによってかじられた穴の修理に使用される。
(4)防除は、餌を断つこと、巣を作らせないこと及び通路を遮断することが基本である。
(5)殺鼠剤には、経口的な取り込み以外に、経皮的な取り込みによって効果を示す薬剤がある。
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(5) <解説>殺鼠剤は、経口的な取り込みが基本で、経皮的な取り込みによって効果を示す薬剤はない。
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衛生害虫と健康被害に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)イエバエは、消化器感染症の病原体を運ぶことが知られている。
(2)微小なダニや昆虫類の死骸の破片は、喘息の原因の一つである。
(3)ハチ毒中には、アミン類以外に、アレルギー反応を起こす酵素類が含まれている。
(4)ヒアリが各地の港湾地区で発見されており、皮膚炎の被害が懸念されている。
(5)トコジラミは、高齢者の入院患者が多い病院での吸血被害が問題となっている。
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(5) <解説>トコジラミは、ホテルやアパートなどでの被害はあるが、病院での被害はあまりない。
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衛生害虫等が媒介する感染症とその媒介者の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1)チクングニア熱-----ヒトスジシマカ
(2)日本紅斑熱-----コモジラミ
(3)ウエストナイル熱-----アカイエ
(4)カレプトスピラ症-----ネズミ
(5)マラリア-----ハマダラカ
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(2) <解説>日本紅斑熱はマダニによる感染症。コロモジラミが媒介するのは発疹チフスである。
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防除に用いる機器類と薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)隙間や割れ目等の細かな部分に粉剤を処理する場合には、電動散粉機を使用する。
(2)噴霧器のノズルから噴射される薬液の噴射パターンの一つとして、扇型がある。
(3)ミスト機は、汚水槽の蚊やチョウバエの防除に使用される。
(4)液化炭酸ガス製剤には、有機溶媒や水は使用されていない。
(5)粘着式殺虫機は、昆虫の死骸が周囲に落ちることが少ない。
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(1) <解説>隙間や割れ目等の細かな部分に粉剤を処理する場合には、手動式散粉機を使用する。
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建築物衛生法に基づくねずみ・昆虫等の防除に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。
ねずみ等の防除においては、IPM(総合的有害生物管理)の理念に基づく防除を実施しな ければならない。この防除に
おいては、[ ア ]や[ イ ]、防除法の選定、[ ウ ]等が重要視され、 防除法の選定においては、[ エ ]や
侵入防止対策を優先的に検討する必要がある。
ア イ ウ エ
(1)使用薬剤の選定 防除目標の設定 利用者の感覚的評価 発生時対策
(2)生息密度調査 防除目標の設定 生息指数による評価 発生時対策
(3)使用薬剤の選定 化学的対策 使用薬剤の種類 発生時対策
(4)生息密度調査 防除目標の設定 生息指数による評価 発生予防対策
(5)発生時対策 化学的対策 利用者の感覚的評価 発生予防対策
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(4)
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ねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。
(2)IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。
(3)生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6カ月以内に一度、又は発生の多い場所では、2カ月以内に
一度の定期的な調査を継続する。
(4)チャバネゴキブリが発生している厨房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹で
あった場合のゴキブリ指数は30である。
(5)ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。
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(3) <解説>ネズミや害虫に対しては、侵入防止による対策を優先的に実施する。IPMにおける警戒水準とは、放置すると今後、問題となる可能性がある状態。すぐに防除作業が必要な状況は、措置水準をいう。チャバネゴキブリが発生している厨房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は10である。ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬はない。
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衛生害虫の防除等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。
(2)ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。
(3)吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。
(4)昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。
(5)昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。
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(2) <解説>ニューサンスコントロールとは、不快害虫防除のことで、一般的な刺咬や不快害虫対策として行う生活害虫などの防除である。感染症を媒介する衛生動物の防除は、ベクターコントロール(媒介動物防除)と呼ばれる。
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