過去問塾 2021年度
建築物環境衛生管理技術者試験
生体の恒常性(ホメオスタシス)等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)外部環境の変化に対し内部環境を一定に保つ仕組みを恒常性という。
(2)恒常性は、主に、神経系、内分泌系、免疫系の機能によって維持されている。
(3)外部からの刺激は、受容器で受容されて中枢に伝達され、その後、効果器に興奮が伝えられて反応が起こる。
(4)生体に刺激が加えられると、生体内に変化が生じ、適応しようとする反応が非特異的に生じる。
(5)加齢とともに摂取エネルギー量は低下するが、エネルギーを予備力として蓄えておく能力は増加する。
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(5) <解説>エネルギーを予備力として蓄えておく能力も低下する。
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健康に影響を与える環境要因のうち、物理的要因として最も不適当なものは次のうちどれか。
(1)オゾン
(2)湿度
(3)気圧
(4)温度
(5)音
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(1) <解説>オゾンは、科学的要因である。
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温熱環境指数に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)黒球温度は、熱放射と対流に関わる温度の測定に用いられる。
(2)湿球黒球温度(WBGT)は、屋内外における暑熱作業時の暑熱ストレスを評価するために使用されている。
(3)有効温度は、湿度100%で無風の部屋の気温に等価な環境として表す主観的経験指数である。
(4)標準新有効温度は、気温、湿度、風速、熱放射、着衣量、代謝量の6要素を含んだ温熱環境の指標である。
(5)不快指数は、気温に関係なく用いられる指標である。
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(5) <解説>不快指数は、気温と湿度に関係する指標である。
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体温調節に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。
(2)平均皮膚温の算出式であるHardy-DuBoisの7点法で、皮膚温の重みづけが一番大きいのは腹である。
(3)冷房や扇風機の利用は、行動性体温調節である。
(4)熱放散は、対流、放射、伝導、蒸発の物理的過程からなる。
(5)核心温は、身体表面の温度に比べて、外気温の影響を受けにくい。
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(1) <解説>寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が大きくなる。
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温熱環境と体熱平衡に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)対流による熱放散は、流体の流れに伴う熱エネルギーの移動現象である。
(2)蒸発による熱放散は、水分が皮膚から気化するときに皮膚表面から潜熱を奪う現象である。
(3)高温環境下においては、人体の熱産生量は低下する。
(4)人体側の温熱環境要素は、代謝量と着衣量である。
(5)伝導による熱放散は、体と直接接触する物体との間の熱エネルギーの移動現象である。
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(3) <解説>高温環境下では、汗の分泌量や血流量の増加で熱産生量は低下しない。
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熱中症に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)熱けいれんは、大量に発汗した際、水分のみを大量に摂取することによって起きる。
(2)熱疲労では、大量の発汗により体内の水分、塩分が不足し、臓器の機能低下が起きる。
(3)熱失神はもっとも重い熱中症であり、体温は異常に上昇する。
(4)皮膚疾患や重度の日焼けのときには発汗作用は低下するので、注意が必要である。
(5)熱射病の治療においては、冷やしすぎに注意する必要がある。
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(3) <解説>熱失神は熱中症の中でも軽度の症状に分類される。
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ヒトの発がんの原因に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)発がんの要因として、食事が3分の1を占める。
(2)感染症が発がんの原因となることがある。
(3)ラドンのばく露は肺がんのリスクを上昇させる。
(4)DNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質をプロモータという。
(5)ホルムアルデヒドには発がん性が認められる。
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(4) <解説>DNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質は、イニシエーターという。
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アスベストに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)合成された化学物質である。
(2)胸膜中皮腫の潜伏期間の多くは、20~50年である。
(3)吸引すると肺の線維化を生じさせる。
(4)肺がんに対して、アスベストばく露と喫煙の相乗作用が示唆されている。
(5)中皮腫や肺がんの発症の危険度は、アスベストの累積ばく露量が多いほど高くなる。
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(1) <解説>自然界に存在する鉱物である。
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アレルギーに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)低湿度は、アトピー性皮膚炎の増悪因子である。
(2)アレルゲンの同定は予防、治療の上で重要である。
(3)ヒスタミンは、アレルゲンの一種である。
(4)アレルギー反応は、体に有害である免疫反応をいう。
(5)過敏性肺炎の一種である加湿器肺の予防には、加湿器の微生物汚染の防止が重要である。
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(3) <解説>ヒスタミンは、体内にアレルゲン(花粉、食物等)が入ると免疫反応により分泌される物質。
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シックビル症候群でみられる症状等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)目やのどの刺激やくしゃみ等の症状は、加湿により減少する。
(2)そのビルを使用、利用する全ての人に症状がみられる。
(3)外気の供給不足が発症の危険因子である。
(4)胸部圧迫感、息切れ、咳などの症状を呈することがある。
(5)アトピー体質が発症の危険因子である。
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(2) <解説>使用、利用する全ての人に症状がみられるわけではない。
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受動喫煙に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)医療機関における受動喫煙防止対策は、地域保健法により規定されている。
(2)喫煙専用室には、二十歳未満の者は立ち入れない旨の掲示が必要である。
(3)副流煙は、喫煙者が吐き出す煙のことである。
(4)たばこ煙に含まれるニコチンやタールは、副流煙より主流煙の方に多く含まれる。
(5)受動喫煙により、小児の呼吸器系疾患のリスクは増加しない。
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(2) <解説>医療機関の受動喫煙防止対策は、健康増進法により規定されている。副流煙は、たばこから直接出る煙である。たばこ煙に含まれるニコチンやタールは、主流煙より副流煙の方に多く含まれる。受動喫煙により、小児の呼吸器系疾患のリスクは増加する。
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音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)聴力レベルがプラスの値は、基準値よりも聴力が良いことを意味する。
(2)音の感覚の受容器である耳は、外耳、中耳、内耳に分けられる。
(3)聴覚の刺激となる音には、頭蓋骨を伝わる音が含まれる。
(4)音の大きさを評価する尺度として、聴覚系の周波数特性で補正したA特性音圧レベルがある。
(5)聴力レベルのスクリーニングとして、職場の定期健康診断では1,000Hzと4,000Hzの聴力レベルが測定される。
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(1) <解説>聴力レベルがプラスの値は、基準値よりも聴力が悪いことを意味する。
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騒音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)騒音性難聴は、4,000Hz付近の聴力低下から始まる。
(2)老人性難聴の初期では、会話音域である周波数(2,000Hz)から聴力の低下がみられる。
(3)環境騒音によって自律神経系が刺激され、血圧の上昇などが観察される。
(4)長期間85dB以上の騒音にばく露されると、永久性の聴力低下となる危険性が高くなる。
(5)住民の騒音苦情の大半は、聴取妨害と心理的影響である。
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(2) <解説>老人性難聴の初期では、高い周波数(8,000Hz程度)から聴力の低下がみられる。
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振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)振動レベルの単位はデシベル(dB)である。
(2)局所振動による健康障害は冬期に多くみられる。
(3)局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢神経障害がある。
(4)フォークリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる。
(5)全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される。
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(3) <解説>指の末梢神経障害ではなく、指の末梢循環障害である。
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光の知覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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(1)目が視対象物の細部を見分ける能力を視力という。
(2)視対象を正確に認識することを明視といい、この条件は、大きさ、対比、時間、明るさである。
(3)視細胞は角膜に存在する。
(4)暗順応に要する時間は明順応よりも長い。
(5)錐体細胞には、赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種があり、反応の組合せで色を感じる。
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(3) <解説>視細胞は網膜に存在する。
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情報機器作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)作業者の健康に関する調査で、最も多い自覚症状は眼の症状である。
(2)ディスプレイのグレア防止には、直接照明を用いる。
(3)書類上及びキーボード上における照度は300lⅩ以上が推奨される。
(4)ディスプレイ画面上における照度は500lⅩ以下が推奨される。
(5)ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと、周囲の明るさとの差は、なるべく小さくする。
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(2) <解説>ディスプレイのグレア防止には、間接照明を用いる。
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電磁波に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)レーザー光線には可視光のレーザーの他、赤外線や紫外線のレーザーがある。
(2)溶接作業で発生する電気性眼炎は紫外線による。
(3)赤外線は白内障の原因となる。
(4)マイクロ波の主な用途の一つとして、家庭用電子レンジがある。
(5)可視光線の波長は赤外線より長い。
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(5) <解説>可視光線の波長は赤外線より短い。
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電離放射線による健康影響のうち、確定的影響かつ晩発影響として最も適当なものは次のうちどれか。
(1)不妊
(2)染色体異常
(3)白血病
(4)白内障
(5)甲状腺がん
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(4)
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ヒトと水に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)通常の状態で、水が最も多く排泄されるのは尿であり、その次は皮膚からの蒸泄である。
(2)成人の体内の水分量は、体重の約80%である。
(3)水分欠乏が体重の5%以上で、喉の渇きを感じる。
(4)ヒトが生理的に必要とする水分量は、成人の場合、1日当たり約3リットルである。
(5)体内では細胞内液より細胞外液の方が多い。
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(1) <解説>成人の体内の水分量は、体重の約60%である。水分欠乏は体重の2%以上で、喉の渇きを感じる。人が生理的に必要とする水分量は,成人の場合、1日当たり約1.5リットルである。
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水質汚濁に係る環境基準項目に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)ヒ素は、急性ばく露により皮膚の色素沈着を起こす。
(2)亜鉛は、水俣病の原因となる。
(3)カドミウムは、水質汚濁に関する環境基準において検出されないこととなっている。
(4)アルキル水銀は、生物学的濃縮を起こす。
(5)ベンゼンは、ヒトに対する発がん性は認められない。
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(4) <解説>ヒ素は、慢性ばく露により皮膚の色素沈着を起こす。水俣病の原因物質はメチル水銀である。カドミウムは、水質汚濁に関する環境基準において、基準値が0.003mg/L以下と定められている。ベンゼンは、ヒトに対する発がん性が認められる。
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感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)における感染症の類型に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)一類感染症では、交通が制限されることがある。
(2)二類感染症では、建物の立ち入りは制限されない。
(3)三類感染症では、就業制限される職種がある。
(4)四類感染症では、積極的疫学調査は実施されない。
(5)五類感染症には、ジアルジア症が含まれる。
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(4) <解説>四類感染症を含め、一類から五類感染症は、積極的疫学調査は実施される。
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次の感染症のうち、主に空気を介して感染するものはどれか。
(1)デング熱
(2)B型肝炎
(3)ペスト
(4)日本脳炎
(5)麻しん
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(5) <解説>麻しんは、空気を介して感染する。
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クリプトスポリジウム症に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1)病原体は細菌である。
(2)ヒトや晴乳動物の消化管で増殖する。
(3)水道水の塩素消毒で死滅する。
(4)水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針では、レベル1が最もリスクが高い。
(5)下痢症状は1~2日で消失する。
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(2) <解説>病原体は原虫である。水道水の塩素消毒に抵抗性を示し、死滅しない。水道における対策指針では、レベル4が最もリスクが高く、レベル1が最もリスクが低い。下痢症状は1週間程度で消失する。
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5%溶液として市販されている次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈して100mg/Lの濃度の溶液を10L作る場合、必要となる5%溶液の量として、最も近いものは次のうちどれか。
(1)0.2mL
(2)4mL
(3)20mL
(4)40mL
(5)200mL
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(3) <解説>100mg/Lの溶液10Lの次亜塩素酸ナトリウムの量は、1g。1gのための5%溶液は、1/0.005で20g=20mlとなる。
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滅菌に用いられるものとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1)γ線
(2)ろ過
(3)エチレンオキサイドガス
(4)高圧蒸気
(5)紫外線
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(5) <解説>紫外線は、滅菌ではなく、消毒に用いられる。
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問題46~90
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